甲状腺疾患について
当院の特徴
- 甲状腺疾患の診療経験が豊富な医師が対応します
- 血液検査に加え、今後は超音波検査による甲状腺腫瘍の診断や、定期的なフォローにも対応予定です
甲状腺は喉仏の下に位置する内分泌臓器で、全身の代謝を調節する「甲状腺ホルモン」を分泌しています。
このホルモンは体温調節、脈拍、腸の動き、さまざまな代謝機能と密接に関わっており、バランスが崩れると多様な症状が現れます。
日本人の約10%が何らかの甲状腺疾患を有しているとされており、40歳以上ではその割合が約17%に達すると報告されています。
加齢とともに罹患率が高まる傾向があり、自覚症状が乏しい疾患もあるため、早期発見・診断が重要です。
症状がはっきりしない場合も多く、甲状腺疾患を疑って診察を受けることが大切です。
代表的な甲状腺疾患
バセドウ病(Basedow病)
甲状腺ホルモンが過剰に分泌される代表的な疾患で、日本人の約200人に1人が罹患するとされています。
比較的認知度の高い疾患で、主な症状には以下のようなものがあります:
- 体重減少
- 眼球突出
- 動悸
- 発汗過多
自覚症状の現れ方には個人差があり、発症から数年間気づかないこともあります。
診断は主に血液検査によって可能で、治療には以下の選択肢があります:
- 抗甲状腺薬による薬物療法(日本では最も一般的)
- 放射性ヨウ素治療(アイソトープ)
- 外科的手術(甲状腺切除)
※薬物療法には副作用のリスクもあるため、治療初期の3か月間は頻回の通院と血液検査が必要です。
橋本病(慢性甲状腺炎)
自己免疫により甲状腺に慢性的な炎症が生じ、甲状腺ホルモンの分泌が低下することがあります。
ただし、橋本病=甲状腺ホルモン不足とは限らず、必ずしもすべての患者が治療を必要とするわけではありません。
ホルモンが不足した場合、以下のような症状が見られます:
- 倦怠感
- 皮膚の乾燥
- 体重増加
- 便秘
- 浮腫(むくみ)
- 声の変化
- 寒がり
治療は、必要に応じて甲状腺ホルモン製剤の内服を行います。